こんにちは!筋トレ好きな新人理学療法士です!
今回運動療法について説明していこうと思います。
運動療法の種類
有酸素運動
主に脂質や糖質をエネルギーとした、比較的強度の低い運動です。
また有酸素運動は嫌気性代謝閾値(以下AT)以下の運動のことを言います。
治療においては内部疾患(呼吸、循環器、腎臓)患者の運動療法は
有酸素運動が基本になってきます
AT
有酸素から無酸素運動(嫌気性代謝)へと切り替わる運動強度のことをATという。
主に骨格筋内にあるアデノシン三リン酸(ATP)、クレアチン、ブドウ糖などが
エネルギー代謝に使われています。また、ATPは筋肉内に微量にしか存在しないため
運動を持続させるためには、再合成し続けないといけません。
無酸素系 |
有酸素系 |
|
ATP-クレアチンリン酸系 (CP系) |
乳酸-ATP系 (解糖系) |
糖質・脂質の酸化-ATP系 (酸化系) |
数秒 |
30~40秒 |
長時間 |
激しい運動 |
中等度以上の運動 |
AT未満の運動 |
関節可動域運動(ストレッチング含む)
関節可動域(以下ROM)に制限があると、日常生活活動(以下ADL)にも支障をきたす。
ROM改善することにより運動機能などが向上します。
また、ストレッチングは筋や腱を引き伸ばすことで
筋・腱の柔軟性,関節の可動性を高め、動作改善などに繋がります。
ROM制限
筋収縮の影響による制限として、筋スパズムや痙縮などが挙げられます。
拘縮による制限として①皮膚②筋性③靭帯性④腱性⑤関節性拘縮が挙げられます。
また、①~⑤までは結合組織性拘縮に分類し、②は筋繊維性拘縮にも分類します。
強直による制限は関節構成体の器質変化によって生じます。
これらを把握した上で,ROM-tを行い、可動域制限の有無や最終域での制限因子など
を推測し、患者の現状把握や予後予測、理学療法の効果判定などにしっかりと判断する
必要がある。
ROM運動の種類
- 他動運動
- 自動運動
- 自動介助運動
- 自己介助運動・・・タオル,棒,滑車などを用いて運動
- 持続的他動運動・・・持続的他動運動装置(CPM)
※ROM運動を実施するにあたって関節包内運動を考慮する必要がある。
ストレッチング
- 静的ストレッチング(スタティックストレッチング)
- 動的ストレッチング(バリスティックストレッチング)
- 事前収縮ストレッチング
ストレッチングの話の時によく聞くのがⅠb抑制(自己抑制)ですね!
ストレッチングにより筋肉を伸張すると、筋腱移行部に存在するゴルジ腱器官がその刺激をうけてⅠb繊維に伝わり、介在ニューロンを介して伸長した筋の脊髄前角細胞に対し抑制作用が働き、筋緊張を低下させることをⅠb抑制といいます。
また、アメリカスポーツ医学会による運動指針では成人に対するプログラムとして
大きな筋群に各部位に対し4回以上のストレッチングを週2~3回以上、辛くない程度
の緊張があるポイントまで伸張させ、15~60秒間ストレッチングした状態を
維持することが推奨されている。
※ストレッチングは解剖学的・運動学的特徴を考慮し行うと効率的に
ストレッチングが実施できる。
また、原則として起始部の固定と起始停止を引き離すこと。
レジスタンストレーニング
重りや自重、チューブやバンドなど抵抗を用いた筋力トレーニングを
レジスタンストレーニングと言います。
また、筋力、筋持久力、筋出力の向上、有酸素性運動能力の向上効果があります。
主に収縮様式として以下のようなものが挙げられます。
- 静止性収縮=等尺性収縮・・・関節運動を伴わない、筋肥大効果、血圧⇧
- 求心性収縮・・・筋の起始と停止が近づく収縮(アームカール)
- 遠心性収縮・・・求心性収縮の逆で起始と停止が離れるながら収縮
レジスタンストレーニングの原則
- 過負荷の原則・・・ある程度以上の強い強度
- 漸進性の原則・・・徐々に負荷量を増加させていく
- 継続性の原則・・・継続していく
- 随意刺激性の原則・・・トレーニングをしている筋への意識を集中
- 転移の原則・・・目的以外にも他に効果が波及
- 適合性の原則・・・各個人に合わせた運動プログラム
運動の処方のポイント
- 運動頻度・・・例)運動習慣がない人では週3~5日(20~30分/日)など
- 運動強度・・・自覚的運動強度や1RMなどを基準にする
- 時間・・・何か疾患を有している場合は、治療や投薬時間を考慮する必要がある
- 種類・・・有酸素か無酸素か、また求心性収縮か遠心性収縮かなど
レジスタンストレーニングでのポイントとして、週2.3回のトレーニングを48時間以上の
間隔をあけて実施する。また、1RM(60~80%)1セット8~12回反復可能な負荷を設定し、2~4セット実施する。各セット間は2~3分空けると良いと言われています。
筋持久力改善を目的に行う場合は1RM50%程度、1セット15~20回、セット間の時間を短くし実施します。
運動時ケガなども予想されるため順序として大きい筋から小さい筋へ、多関節から単関節へ、高強度から低強度へ実施します。
インターバルトレーニング
持久性トレーニングの一つで、高強度の運動の間に低強度の運動または
休息を挟み、交互に繰り返し行う運動様式の有酸素運動です。
インターバルトレーニングは心肺機能に負荷が加わるが休息を挟むことにより
運動耐容能を改善させることが出来ます。また、スポーツにおいても
高強度インターバルトレーニング(HIT)が用いられています。
効果的に行うために、過負荷、特異性、個別性、可逆性の原理を考慮する必要があります。
インターバルトレーニングでの強度としてATレベルを指標とした有酸素負荷が基本
その他
体幹安定化エクササイズ・・・慢性腰痛患者の痛み軽減や身体機能改善
(ドローイン、プランクなど)
スリリングエクササイズセラピー・・・関節の柔軟性を引き出すことが目的で低強度から高強度の運動まで実施でき体幹安定性や筋力向上を目的としたエクササイズ。
最後に
各運動療法の効果を得るためには正確な手技であったり、原則などをしっかりと理解した上で行わないと効果が出ないということ。
しっかりとした理学療法を提供出来る様にこれを機に学び直したいと思います❗️
最後まで見ていただきありがとうございました!
まだまだアウトプットが下手ではありますが
これからしっかりと積み上げて皆様の明日に少しでも役立つ情報を投稿していこうと思います!
参考文献
MEDICAL VIEW 内部疾患に対する運動療法-基礎から臨床まで-編集古川順光,田屋雅信